複合機（コピー機）のOCR機能
ビジネスシーンにおいて膨大な量が扱われる書類ですが、複合機（コピー機）のOCR機能を利用することで業務の効率化を図ることができます。複合機（コピー機）のOCR機能は、アナログ書類をテキスト化するだけでなく、その後の業務の効率化につなげることができ、更には業務におけるIT活用やペーパーレス化を実現し、働き方改革にも寄与する有効な技術です。

では、実際にOCR機能はどのように使うか、また複合機（コピー機）のOCR機能のメリットについてご案内していきたいと思います。

複合機（コピー機）のOCR機能とは？

OCR機能OCRは「Optical character recognition」の略であり、日本語では「光学文字認識」といいます。

OCR機能とは、紙などに印刷された文字を読み取り、テキストデータに変換する機能のことで、要するに「文字をテキスト化するもの」です。スキャナーやデジタルカメラ、スマートフォンなどの機器に備わっている機能で、アナログからデジタルの入口へと繋げる役割と言えます。

紙や画像ファイルの文字について、多少読みにくいものであっても人間は認識できますが、コンピューターにはそれが容易ではありません。例えばスキャナーやカメラでOCR機能を介さず読み込んだPDFファイルなどでは、テキスト化されずその後の作業に繋がりにくくなります。

しかし、OCR機能を利用すれば独自の解析によりテキストに落とし込むことが可能で、文字の検索も可能になります。つまりコンピューターにデジタルテキストデータとして文字を認識させることができるのです。

OCR機能はどんなことに使えるのか

複合機（コピー機）のOCR機能OCR機能は文字が入ったアナログの紙の書類全般、たとえば以下のような書類に使うことができます。

請求書、見積書、納品書、領収書、レシート、運転免許書、健康保険証、申込書、取扱説明書、アンケート、名刺など等です。

OCRの仕組み

ほとんどの場合、OCRでは以下の流れで紙や画像の中の文字をテキスト化します。

1.文字がある領域をスキャンして解析

画像内のどの領域に文字があるのかを解析し、文字がある領域（ブロック）を自動で判断・解析します。手動で読み取る領域を設定することも可能ですが、自動で領域を検出できる高精度なOCRが増えています。

2.画像のレイアウトを解析

ときには、テキストだけでなく書類の中に表や図なども混在します。OCR機能では、テキスト以外の表や図など画像部分のレイアウト解析が可能です。テキスト部分と画像部分の判別を自動的に行ってくれ、この機能によってオブジェクト毎に作業が可能になります。

3.テキストを処理

文字部分の処理については、一文字ずつ変換され、そのテキストが抽出されます。その後、OCRソフト内のさまざまなフォントに照合され、デジタルテキストデータが生まれます。

4.テキストを出力

1～3までの工程で指定されたテキストを、任意のファイル形式で出力します。出力されるファイル形式は、対応ソフトによって異なります。

OCR機能を使うメリット

業務の効率化

OCR機能前述のようにOCR機能のメリットは、やはり業務効率化につながることでしょう。アナログ書類などをテキストデータに自動変換して保存すれば、手動で文字を入力する手間や時間が省けるだけでなく、その後の情報管理が楽になります。あとから言葉を検索したり、他の書類に流用したり、IT活用するなど有効活用できます。

ペーパーレス化、コスト削減

社内外でデータやファイルのやりとりや情報共有ができるよう保存するファイル形式を選択することで、業務上のペーパーレス化や大幅なコスト削減が期待できます。
ペーパーレス化が進む昨今でも、紙の書類をメインに取り扱う企業はありますが、OCR機能を積極的に利用することで、さまざまなメリットが生まれる可能性があり、大量の紙書類を扱うビジネスシーンで注目されています。

OCR機能を使用する際の注意点

OCR機能がある複合機（コピー機）かどうか

とても便利なOCR機能ですが、自社の複合機（コピー機）がOCR非対応だとすぐには使えません。別途OCR機能が使えるソフトの購入、あるいはOCR機能がついている複合機（コピー機）やスキャナーを導入する必要があります。自社の複合機（コピー機）にOCR機能があるかを確認し、必要に応じてOCRの導入をしましょう。

OCRの文字認識能力

OCRの文字認識能力は完璧ではありません。作業工程や時間は大幅に省けますが、見直しはやはり必要です。OCRで読み取ったテキストデータは、誤変換がないか目視チェックと、手動での修正が必要になります。

対応言語の確認

日本のビジネスシーンにおけるOCRでは、現在対応している言語は日本語と英語がメインとなっています。他の言語で使用したい場合は、事前にその言語が使用できるソフトを導入する必要があります。

機密情報や個人情報が含まれているか

OCRを利用することによって、機密情報や個人情報が自動的に抽出される可能性があります。変換されたデータの取扱いの際には十分注意し、セキュリティ上対策に留意する必要があります。

縦書きの文書が苦手

縦書きの文書も読み取りは可能ではあるが、日本語の縦書き認識はOCRが苦手です。最新のAIでも自由なフォーマットやレイアウトされた縦書き文書の読み取りは実用的とはいえません。

まとめ

複合機（コピー機）のOCR機能複合機（コピー機）のOCR機能で書類を簡単にテキスト化することにより、業務の効率化、
ペーパーレス化によるコスト削減、働き方改革にもつながります。従ってまだ導入・使用されていないのであれば、一度検討されてみてはいかがでしょうか？

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