複合機は大きく分けて『レーザー複合機』と『インクジェット複合機』の2種類に分けられます。
複合機が壊れて買い換える時や起業する際など購入を検討する時は、業務用レーザー複合機と家庭用インクジェットプリンターを比較し検討する方も多いと思われます。
もしかしたら「それまで家庭用インクジェットプリンター使っていて問題なかったので、引き続き家庭用インクジェットプリンターでいいや」と思うかもしれません。
しかし、最近では一般家庭でも家庭用インクジェットプリンターではなく業務用レーザー複合機を検討する方が増えてきているようです。業務用レーザー複合機と比較して、使いやすくコストパフォーマンスの良い機種を納得いくまで検討して導入するべきです。

1.業務用レーザー複合機と家庭用インクジェットプリンターの違い

まずは業務用レーザー複合機と家庭用インクジェットプリンターの違いを比較します。

業務用レーザー複合機と家庭用インクジェットプリンターを比較する際には、「何が違うのだろう?」「どちらが得なのだろう?」「メリットとデメリットは?」という点を気にされる方も多いはずです。例えば業務用レーザー複合機と言えば大きくて重い、置き場所に困る、などといった印象があるかもしれませんが、最近はコンパクトなサイズで価格も比較的手の届きやすい複合機も出てきて(後述)家庭でも業務用を使う方が増えてきました。

・耐久性の違い

家庭用インクジェットプリンターは業務用レーザー複合機と比較すると、耐久性が劣るため、数年ごとに買い換えが必要になってくる傾向にあります。一方で、業務用レーザー複合機の耐久性は高く、契約によっては業者による定期的な点検(メンテナンス)や早い修理対応があることから業務用レーザー複合機は安心して長く使用できるといえるでしょう。

・コストの違い

複合機を比較するうえで【一枚あたりに掛かるコスト】が気になるところです。メーカーや機種にもよりますが、一般的に家庭用インクジェットプリンターのカラー印刷は、1枚あたり60円~80円程度(後述で安い機種をご案内)、業務用レーザー複合機は1枚あたり20円程と言われています。家庭用インクジェットプリンターに比べて、3分の1以下で印刷ができます。

・インクの違い

消耗品は複合機を比較するうえで重要な要素となります。カラーインクの価格は、業務用レーザー複合機では1万円~2万円程、家庭用インクジェットプリンターでは4,000円~5,000円が相場です。実際に使ってみると家庭用インクジェットプリンターでカラー印刷をすれば、すぐにインクが無くなってしまい、高い頻度で交換が必要なのに対し、業務用レーザー複合機は比較にならないほどの枚数を印刷できます。それがランニングコストの違いとなって現れます。

家庭用インクジェットプリンターは、液状インクを吹き付ける仕組み上、普通紙を印刷すると紙が湿っぽくなりますし、水に濡れると滲んでしまう印刷です。
インク詰まりも起きるので、それを回避するための待ち時間が必要になります。また家庭用インクジェットプリンターの「インクジェット方式」で見過ごされがちなのが、テストで印刷を行わないと色が変わって出てきてしまうということがあります。
写真の印刷で一番初めの印刷は予想とは違う色になってしまうことがあります。業務用レーザー複合機はこうした色の変化も少なく、スピーディに業務に取り掛かることが可能です。また業務用レーザー複合機のインクであるトナーは大きいため処理に困ることがあるのでは?と心配になるかもしれませんが、空トナーはメンテナンス時やトナー配送時に無償回収してくれます。

・印刷方式の違い

家庭用インクジェットプリンターはインクを用紙に吹き付ける印刷手法なので、精細な表現が得意で写真などの印刷に向いています。一方で、業務用レーザー複合機はレーザービームによりトナーを用紙に熱で定着させる印刷手法で、用紙の種類を選ばないのでカタログや資料、そして図面やポスターなどの大きい用紙の印刷もできます。

・印刷スピードの違い

印刷スピードを比較して、業務用レーザー複合機の方が格段に速く印刷することができます。家庭用インクジェットプリンターは、乾燥に時間がかかるため待機時間もあります。一方で、業務用レーザー複合機は大量の印刷をする目的で作られているため、待機時間は少なくスムーズに大量印刷ができます。
家庭用インクジェットプリンターは1分間に平均8枚から10枚程しか印刷ができないのに比べ、業務用レーザー複合機は1分間に25枚~と印刷速度も圧倒的に違います。
そのため業務効率化にも繋がります。

・用紙の違い

家庭用インクジェットプリンターではA4サイズまでの機種が一般的(A3対応の機種もある)なのに対して、業務用レーザ複合機ではA3サイズまでの機種が一般的(A4対応の機種もある)です。さらにポスターなどの長尺印刷も可能です。会社や商店などPOPを目立たせたい場合や会議などでボードに貼る場合、掲示板に貼る場合、図面が欲しい場合などには業務用レーザー複合機の方が便利です。

給紙枚数にも大きな違いがあります。家庭用インクジェットプリンターは100枚ほど、業務用レーザー複合機は500枚~1,000枚ほど給紙できます。
このようにトレイに入る枚数が多いため補給回数も少なくて済む、といったメリットもあります。また、オプションのトレイを使うと数千枚も入るものもあるので、重い用紙を何度も補給しなくて済みます。
用紙やトナー代、印刷スピードなどを総合して考えてみても業務用レーザー複合機の方が業務上使い勝手が良い点が多く挙げられます。

・業務用レーザー複合機にしかない機能

業務用レーザー複合機には家庭用インクジェットプリンターには無い様々な機能が搭載されています。
自動製本機能でカタログや冊子や本などの製本が可能だったり、お知らせなどに使える二つ折り・三つ折り・Z折りなど、様々な機能が搭載されています。様々な機能があるので、家庭用インクジェットプリンターと業務用レーザー複合機の機能性を比較してみても業務用レーザー複合機の機能はとても充実しています。

・保証について

家庭用インクジェットプリンターでは、メーカー保証と家電量販店の保証がありますが、両方合わせても長いもので5年ほどです。また故障の際には店舗にもっていき預けて修理の依頼が必要だったりと、修理を依頼している期間は印刷業務ができなくなってしまいます。
しかし、業務用レーザー複合機では保守契約があり、定期メンテナンスはもちろんのこと、故障や不調などの緊急時にもメンテナンスのプロが迅速に訪問して対応するため、不測の事態に対しても安心して利用できます。業務用レーザー複合機には各社保守契約がいくつかあるので、お客様のご都合や状況に合った内容で比較検討されることが求められます。

2.家庭用インクジェットプリンター

前項では、業務用レーザー複合機の良さが際立ちましたが、家庭用インクジェットプリンターの優位性について探してみます。印刷スピードが遅い、インクが詰まりやすい、インク交換や給紙の頻度が高い、用紙が湿っぽくなる、水に滲む(染料インクの機種の場合)、消耗品の値段が高い(ランニングコストが高い)、壊れやすい(2~3年ごとに買い替えが必要)のが家庭用インクジェットプリンターですが、メリットもあります。

まず業務用レーザー複合機に比べ解像度が高く、精細で表現力が高いです。写真の画質を比べると一目瞭然です。精細さが必要な場合、家庭用インクジェットプリンターに軍配が上がります。
また、本体サイズが小さくて軽いです。A4サイズの家庭用インクジェットプリンターであれば机の袖に置いて収まります。業務用レーザー複合機を置くことを考えたら、家庭用インクジェットプリンターを2台、高さも考えたらさらにもっと置けます。

そして本体価格が安いのも大きな魅力です。本体価格が安ければ、次から次へと買い換えてもさほど損をしません。本体価格1万円台で最低限度の機能がある(コピーやスキャナー、両面印刷機能などが装備されているものもあり)ので、お得に買い替えが可能です。

家庭用インクジェットプリンターは、業務用レーザー複合機に比べ消費電力も小さいので、電気代は安く収まるのも魅力の一つです。

ここで一つデメリットであるランニングコストですが、それが少ないとされている機種も出てはきています。A4モノクロ単価1枚単価0.4円・A4カラー単価1円などといったものもあります。そのため非常にランニングコストをおさえて運用することもできるようになってきています。一部の機種ではありますが必ずしもデメリットとは言えなくなっています。

3.業務用レーザー複合機

こうなると「やっぱり本体価格が高い業務用レーザー複合機より家庭用インクジェットプリンターでいいんじゃ…!?」と思ってしまいそうですね。ところが、そんな価格の常識をひっくり返す業務用レーザー複合機も登場しているのです。

現在4万円台から業務用カラーレーザー複合機を購入することが出来ます。大きさも家庭用インクジェットプリンター並みに小さく“卓上型”として利用可能な機種があります。A3までの印刷は必要としない等の場合十分と言える機種のようです。

4.家庭用インクジェットプリンターではダメな理由

(何故に業務用レーザー複合機を選ぶ必要があるか)

家庭用インクジェットプリンターと業務用レーザー複合機を比較してきましたが、結局どのような判断基準でどちらか選べば良いでしょうか。
結論から言いますと重要になる判断材料は“業務用レーザー複合機の【保守契約】です。業務用レーザー複合機の保守契約があれば、定期メンテナンスや故障や不調などの緊急時にもメンテナンスのプロが迅速に対応できるということです。

不測の事態に対しても安心して利用できるかどうかは非常に重要です。印刷を重要視していない環境でも、いざ必要となったら、“何が何でもすぐに欲しい”のが業務上の印刷物です。従って不測の事態に業務用レーザー複合機の保守契約は何よりもの安心材料となります。つまり保守契約を伴った業務用レーザー複合機がおすすめなのです。